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リラックス

 ストレス社会を生き抜くためには、うまくリラックスする技術を身につけることが重要と言われて久しい。ストレスを緊張、リラックスを弛緩と読み替えると、緊張ばかり弛緩ばかりではうまく生きているとはいえない。なぜなら弛緩には緊張が必要で、緊張には弛緩が欠かせないからだ。緊張と弛緩は表裏一体の関係で、どちらかが強すぎてはならず、バランスがとれていることが大切だ。受けるストレスが強ければ強いほど、リラックスの程度も同じように強くなければいけない。人様の視線にさらされることを余儀なくされる職業についているのならば、自分一人になれる時間を大事にすることが必要だ。呼吸法を実践して、意識的に自分の内面に触れていく。

思い込み

 人は自分の都合の良いように物事を思い込む。「偶然は神」とばかり、偶然におきた事柄を、さも自分にだけ特別に起きた事柄のように考える。それはなぜかというと、誰も自分という人間に関心も興味も持ってくれないからだ。年齢が高くなればなるほど、自分に興味や関心をもってくれる人の数が減少する。見た目の美しさとか、若さのもつ力のようなものがなくなるからだ。そのことを自分は、無意識的にも意識的にもよく知っている。自分しか自分をひきたてて贔屓して特別扱いしてくれる人間がいない。そんなことを自分はよく知っている。これは一面では悲しいことかもしれないが、一面では幸せなことだ。自分で自分を評価できる人間になったということで、それまでの人様の評価をあてにするような人生を生きなくてもすむようになったということだ。勝手な思い込みも、それが人様に実害がないとすれば、そう悪いことではない。