運命学へ(59)

ちょうど眉間にあたる所を人相学では「印堂」と呼ぶが、そこは別名「命宮」といって、その人自身の現在の運勢を表わしている箇所である。その人の他者との関係や災難など、一身上の吉凶が全て表われる。その人が過去の出来事をどのように捉えているのかは、眉間を見れば一目瞭然だ。過去にどれほど嫌でつらいことがあっても、それをプラスに転換することができる人は陽相の顔をしているし、逆なら陰相となる。眉間がきれいなことは、陽相のひとつの特徴である。そういう意味では、たとえば顔そりのときなどに、カミソリで不用意に顔に傷をつけるようなことは断じてあってはならないし、過ぎてしまった過去を思い悩んでいても、人相を悪くするだけだ。もし過去をプラスに転換することができなければ、きっぱりと忘れてしまうに限る。そうしないと、自分で自分の運勢を悪くしてしまう。あるとき、この印堂に大きなおできができている人がいた。そういう人をめったに見ることがないので、印象深く覚えているのだが、その人はその後すぐに職場を去り病気療養に入った。おそらく最も凶兆のでていた時期に、その人にお会いしたのだと思う。こうしたことを経験したあとは、人に会ったら真っ先に眉間を見るようになった。眉間のきれいな人は、過去にあった出来事をむしかえして責めたりはしないし、総じて寛容だ。人を恨むこともない。

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