運命学へ(51)
四柱推命で用いる十干にはそれぞれ干同士の関係があるが、とくに干合の関係に注目してみたい。干合とは、甲と己、丙と辛、戊と癸、庚と乙、壬と丁の五つの組み合わせで、互いにしっかりと抱き合って離れない強固な結びつきの関係である。それぞれが陽干と陰干のペアになっている。これはもともと、中国の易で採用されている自然哲学としての陰陽思想に基づいている。陰陽思想はまた、この宇宙には陰と陽の二種類の気が充満しており、それが人間世界にゆきわたって浸透しているため、人間と自然の間には必然的な感応関係があるとする天人合一思想でもある。この思想のもと、人間世界の秩序は宇宙自然界の秩序と一致するのである。陽干同士、陰干同士(たとえば甲と戊、乙と己)ならば、たがいに排斥しあう反対、相容れない矛盾した関係となるが、これが陽と陰の組み合わせになると、逆にたがいに引き合う関係、相手があることによって自己があるという関係になる。たがいに対立しながらも、たがいに相手の存在によりかかって共存している関係、対立とともに依存のある関係である。これを中国のことばでは、対立ではなく対待(たいたい)という。まるで男と女の関係のようだ。