運命学へ(45)
運命を決める要素として、八島氏は次の三つを挙げている。1. 環境的要因(親、遺伝、居住地域など)、2.天体による影響(惑星や恒星などの自然界の運動)、3. 霊的な影響(生まれ変わりを繰り返す実体の影響)。八島氏が高野山大学密教学科の出身であることを考えると、その基礎的な思考に仏教の要素が色濃く反映されているのは理解できる。また、高校生のときに金縛りや幽体離脱経験をしていることから、霊魂が存在することを実感的に肯定する立場にたっているのも頷ける。なぜならばわたし自身、中学生とか高校生のときに、八島氏と似たような経験をしているからだ。わたしの場合は、さらに加えて、ラップ音や、そのときまさに病院で臨終の床につこうとしているはずの祖父の声を聞いた。怖いというよりも不思議な体験だった。八島氏は自らが幽体離脱を経験したことから、臨死体験についても語っている。そこでは死は、生命体の終わりではなく、魂の繰り広げる心理劇の一時休止として扱われている。