運命学へ(44)
四柱推命では、推命するときに必ず、各個人に特有の十年ごとの運気変化をみる。八島高明氏の運命研究書には、「周期の変化が人間の心理構造を変化させて、違う人格を作り上げ」、また「人格が一生涯にわたり変化しないと考えるのは、私たちのただの思い込みにしか過ぎない」とも書かれている。正直なところ、この記述には衝撃を受けた。人格は、十年とか二十年で変化していくものなのだろうか。いままで十年周期でめぐってくる行運については、周期が変化するにつれて、自分を取り巻く環境が変わっていくと考えていた。運気というのは、自分の外側が変化し、その影響が自分の内部に及ぶという方向性ではなく、八島氏の言説に従えば、自分の人格がまず変化し、それが自分の外側に及んでいくのである。命式を先天運、行運を後天運とする考え方に何らの疑問も抱いてこなかったが、ここにきて行運の解釈に新たな可能性を見出した。自分自身の命式を車、行運を車が走る道とすると、車が走る道が変化するのではなく、自分自身を表す車自体が変化するのだ。こうなれば、軽自動車がベンツやフェラーリに変化することも、その逆もありうる。