運命学へ(43)
心が運命を決定する、と最近読んだ運命本(八島高明著、運命シリーズ)に書かれてあった。著者によると、心には五つの器官があり、その一つ一つが特徴的な働きとエネルギーを持っている。著者は長年にわたって様々な占術を研究し、その中からとくに四柱推命の的中率の高さに注目して、四柱推命の理論から、心を構成する五つの心理器官という考えを引き出すに至った。著者がなしえたのは、四柱推命理論の根幹にある五行説の、心理学の立場からの理解と応用である。著者は長年集めた実占データから、四つの関係のうち特に「制」といわれる、自分を剋する五行と自分を表す五行との関係に重きをおいている。著書では「理性器官」と表現されているが、その名のとおり、自分を客観的に見つめなおして、必要な忍耐を自分に強いて、自分の暴走を封じ込める役割をもった器官である。自分とこの器官の関係がアンバランスになると、社会に適応できなかったり、失職したり、名誉や財産を失うことになる。心を五つの心理器官に分けたこと自体にはさほどの目新しさは感じなかったが、誕生時の産声と言われる最初の呼吸に着目し、「制」の関係に焦点をあてている点には強く興味をそそられた。