運命学へ(21)
この墓運の十年間、わたしはいろいろなものに興味を持った。自分の世界を広げようと、自我の凝り固まった安全な世界から飛び出して、自分以外の外の世界へと出ていった十年間ともいえる。他人がわたしにとった態度は、おそらくはわたしが他人にとった態度とまったく同じだったと思う。十年間におきた感情的に嫌な出来事は、他人からかたくなな態度をとられたり、他人に好かれなかったり、あからさまに嫌いと言われたり、性格どころか人格まで否定されたり、こつこつと一生懸命に積んできた事を冷たい一蹴で壊されたり、といった類だった。お金も無駄に費やしたような気がする。いまになって考えてみれば、普段のわたしだったらあり得ないようなお金の使い方をした。買い物依存になったし人間不信にもなった。だけどひとつだけよかったのは、病気にはならなかったことだ。生来、丈夫な体質なのだろうか。