運命学へ(18)
またそれ以外に、夫と別居期間中に自宅が泥棒に襲われた。被害総額は、生活費のためにバックに入れておいた七万円ほどだったが、問題は被害の金額よりも、朝起きて階下に降りていったら、一階のリビングと書斎が無茶苦茶に荒らされていたことだった。すべての引き出しの中身が床高く積み上げられていた。たしかに夜中の二時ごろ、台所あたりで小さな物音がするのを聞いた。わたしはそのとき浅い眠りから覚めたが、おそらく長男が台所でジュースを飲んでいるのではないかと思い、階下に降りて確認はしなかった。泥棒は台所のアルミ格子を引き抜いて窓から侵入したのだった。アルミ格子はちょっと力を加えると、いとも簡単に引き抜くことができる。アルミ格子がそれほど軟弱なものとは、まったくそんなことは考えたこともなかった。格子があるから大丈夫だろう、と窓を開けたままにしておいたのだ。とにかく家の中の荒れ具合に非常な動揺を感じた。すぐ警察に連絡したが、それ自体、それまで一度もなかった経験だった。