運命学へ(16)

ある日、四柱推命のレッスン時に、師匠が急に「墓運というのがあって」と言い出した。墓運、空恐ろしい響きの言葉だ。この表をみたらすぐに出せると言うので、師匠の指さす表を見た。そこにある文字を密かに自分の命式にあてはめてみたら、わたしはこの墓運の真っただ中にいた。とてつもなく大変な運の中にいると思い「これはお墓に入る運なのでしょうか」と訊くと、「五割は」と師匠は軽いのりで答えた。それが本気なのか単なる冗談なのか、わからなかった。わたしは不安そのものの顔つきだったと思う。「そうでなければ、死ぬほどのつらい目にあう時期」と師匠はきっぱりと言った。わたしは意を決して「あの、わたし、いま墓運なんですけど、大丈夫でしょうか」とおそるおそる訊くと、師匠は声をあげて明るく笑った。そしてひとしきり笑ったあと、「さあね」と言った。

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