運命学へ(14)
自分自身を象徴する文字との組み合わせで通変星をだす。通変星は単に便宜上のものだが、比肩、劫財、食神、傷官、偏財、正財、偏官、正官、偏印、印綬の十種類がある。基礎的知識を獲得する段階で、十種類すべてを暗記し理解するのに苦労する。心理学ではもっと少ない種類の性格分類をしている。しかしわたしには、やり過ごした三十年があった。十種類の暗記と理解はすでにできていたから、これら十種類のそれぞれが、さらに百二十種類に細分化されるという仮説を立てた。これにより自分と同じ性格や行動パターンは厳密には、千二百分の一の確率で世の中に存在することになる。わたしはこの後もずっと、自分の仮説の正しさを証明するために、メモをとりデータを集め続けている。これには多数の人間と交わって、それぞれの外見上の印象と表立った性格や行動パターン、内に秘めた性格や行動パターンを細かく分析していく必要がある。またさらに運命学への道は遠くなったが、たとえそれが陰気な目的であっても、追求には一種の熱狂を感じずにはいられない。