自分を変える11
バスを乗り継いでようやく新オープンのクラブに到着した。系列のクラブから馬をかき集めたそうで、全部で七頭ほどが厩舎にいた。インストラクターは同い年くらいで、自分が教える生徒は、すぐに馬に乗れるようになると告げた。つながれてこちらを見ていた馬が微笑みかけてきた気がした。いまから乗る馬だ。わたしは一目でその若い雌馬が気に入った。半径五メートルほどの円を描いてしきられた馬場に、初老のインストラクターの声が響いた。
「はいているジーパンの、後ろポケットの下のほうで馬に乗にのると意識してください」その言葉どおりにすると、腰がぐっと前に出て、上体の姿勢をまっすぐに保つのには腹筋をつかわなければならなかった。
「これが馬に乗るフォームです」
なるほどそうか、馬の背中には座ると思っていた。そう、乗馬はスポーツなのだ。けっして楽ではないはずだった。
「はいているジーパンの、後ろポケットの下のほうで馬に乗にのると意識してください」その言葉どおりにすると、腰がぐっと前に出て、上体の姿勢をまっすぐに保つのには腹筋をつかわなければならなかった。
「これが馬に乗るフォームです」
なるほどそうか、馬の背中には座ると思っていた。そう、乗馬はスポーツなのだ。けっして楽ではないはずだった。